マネーラボ

家事按分、なんとなく20%にしてませんか?正しい出し方と実例【2026年版】

確定申告の家賃・電気代・通信費、按分割合を「えいや」で決めていませんか。面積按分・時間按分の具体的な出し方と、家賃15万円のケースでいくら経費にできるかの実例、税務調査で聞かれたときの備え方を解説します。

更新日: 2026-09-15

確定申告の入力画面で「家賃、按分割合......まあ20%でいいか」と、特に根拠もなく数字を打ち込んだことはないでしょうか。多くの人がここを感覚で埋めています。しかし家事按分は本来、面積や時間から説明できる数字を出すものです。感覚で決めた数字は、税務調査で「その20%の根拠は?」と聞かれたときに詰まってしまいます。

逆に言えば、正しく出した按分割合は自信を持って経費にできるお金です。家賃15万円の部屋で20%なら年間36万円、電気代・通信費も合わせると数十万円単位になることも珍しくありません。ここでは家事按分の出し方を、費目ごとに具体的な数字で整理します。

家事按分とは

自宅を作業場所にしている場合、家賃・電気代・通信費など「生活とビジネスで共用している支出」のうち、業務に使っている割合だけを経費にできます。これが家事按分です。100%経費にはできませんが、按分した分は正当な経費として所得から差し引けます。

家賃:面積按分で出す

家賃は「作業に使っているスペースの床面積 ÷ 家全体の床面積」で按分割合を出すのが基本です。25m²の部屋のうち、作業デスクを置いている5m²を業務用と考えるなら、按分割合は20%になります。ワンルームで明確に区切れない場合は、机とその周辺の実測値で説明できる数字を作ります。

専有面積家全体の面積按分割合
4m²20m²20%
5m²25m²20%
8m²40m²20%
6m²30m²20%

電気代・通信費:時間按分で出す

電気代は「作業時間 ÷ 1日の活動時間」、通信費は「副業での使用時間の割合」で考えます。1日3時間作業しているなら、24時間を基準にすると按分割合は12.5%、使っている家電の種類も加味してもう少し高めに見積もる場合は25%程度までが目安です。在宅の副業がメインで、日中ずっとネット回線を使っているなら通信費は30〜50%とすることもあります。

費目按分割合の目安根拠にする数字
電気代12〜25%程度1日の作業時間 ÷ 24時間、または家電の使用割合
通信費30〜50%程度副業での使用時間の割合

按分割合を高くしすぎるとどうなる?

按分割合を高くするほど経費が増え、税額は下がります。しかしここに決まった上限はない代わりに、聞かれたときに説明できる根拠が必須です。面積や作業時間の記録がなく「なんとなく50%」としていた場合、税務調査で否認され、過去の申告分までさかのぼって追徴課税(延滞税・過少申告加算税を含む)になるリスクがあります。間取り図への書き込みや、作業時間の記録アプリのログなど、根拠になるものを残しておきましょう。

実例:家賃15万円のケースでいくら経費になるか

家賃15万円(按分20%)、電気代8,000円(按分15%)、通信費6,000円(按分40%)のケースで計算すると、次のようになります。

費目月額支出按分割合月額の経費計上額年間の経費計上額
家賃150,000円20%30,000円360,000円
電気代8,000円15%1,200円14,400円
通信費6,000円40%2,400円28,800円
合計164,000円-33,600円403,200円

このケースでは年間40万円超が経費になり、所得税・住民税・(該当する場合は)個人事業税の課税対象額をその分だけ圧縮できます。「なんとなく」で決めていた按分割合を面積・時間から出し直すだけで、経費計上額が数万円単位で変わることも珍しくありません。

自分の家賃・電気代・通信費の金額を入れて、実際にいくら経費にできるかを確認したい場合は「経費の家事按分計算機」をご利用ください。面積や作業時間から按分割合の目安も計算できます。

関連記事