学生バイトの103万円の壁と勤労学生控除|使うと逆に損することも【2026年版】
学生アルバイトの勤労学生控除(所得税27万円・住民税26万円)の仕組みと条件、掛け持ち時の注意点を解説。本人の税金は減っても親の特定扶養控除が外れて世帯では損するケースまで説明します。
執筆: Y.Y ・更新日: 2026-09-10
学生アルバイトには「勤労学生控除」という制度があり、これを使うと、一般的な非課税ラインよりも高い年収まで自分の所得税がかからなくなります。ただし、本人の税金だけを見て「壁が上がった」と考えると、世帯全体では損をすることがあります。仕組みと注意点を整理します。
年収の壁(イメージ図)
123万円
所得税・配偶者控除の壁
106万円
社会保険(106万円要件)の壁
130万円
社会保険の扶養の壁
勤労学生控除で控除される金額
勤労学生控除の控除額は、所得税で27万円、住民税で26万円です。所得税の非課税ラインは「給与所得控除 + 基礎控除 + 勤労学生控除」の合計で決まります。2025年(令和7年)分の税制改正で給与所得控除・基礎控除がそれぞれ引き上げられ(65万円+58万円)、勤労学生控除27万円を加えると、合計150万円までが目安になります(合計所得金額など細かい要件は「扶養の壁チェッカー」でご確認ください)。
勤労学生控除を受けるための条件
- その年の12月31日時点で、大学・高校・専門学校など特定の学校の学生・生徒であること
- アルバイトなど勤労による所得があること
- 合計所得金額が一定額以下で、そのうち勤労以外の所得(株の利益など)が10万円以下であること
定時制・通信制や、一定の要件を満たす専修学校・各種学校も対象になります。自分の学校が該当するか不明な場合は、学校の窓口で「学生生徒等であることの証明書」を発行してもらえるか確認しておきましょう。
落とし穴:本人は非課税でも、親の扶養から外れることがある
勤労学生控除は「本人の所得税」を減らす制度で、「親の扶養控除」の判定には影響しません。親が子を税法上の扶養に入れられるかどうかは、子の合計所得金額が基準を超えるかどうかで決まり、この基準に勤労学生控除は関係ないためです。
特に19〜22歳の学生は、2025年分の改正で新設された「特定親族特別控除」の対象で、子の年収が150万円以下なら親は満額(63万円)の控除を受けられます。150万円を超えると控除額が段階的に減っていく仕組みです。子が扶養から外れる(または控除額が減る)と、親の所得税・住民税の負担がまとまった額(所得税率によっては年10万円前後)増えることがあります。子が勤労学生控除で数千円〜1万円ほど得をしても、親の負担増がそれを上回れば、世帯合計ではマイナスです。年収を壁の少し上まで伸ばすなら、この差額を超えて稼げるかを先に確認しておくべきです。
掛け持ちしている場合
アルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての勤務先の年間収入を合算して判定します。1か所では年末調整されても、2か所目以降の給与は年末調整されないため、合算すると壁を超えているのに気づかず、後から追徴されることがあります。12月ごろに全勤務先の見込み年収を合計して確認しておきましょう。
勤労学生控除の受け方
年末調整では、勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の勤労学生の欄に記入します。年末調整で申告し忘れた場合や、掛け持ちで確定申告が必要な場合は、確定申告で「勤労学生控除」を選択すれば適用できます。学校によっては証明書の添付が必要です。
自分の年収が123万円・106万円・130万円のどの壁の手前・向こうにいるかは、「扶養の壁チェッカー」で年収の見込みを入れるだけで確認できます。
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